Story on vol03!名古屋の経営者インタビュー 企業PR 名古屋

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CORRECTのインタビュー企画「Story on
名古屋で活躍する経営者の現在進行形のストーリーをお届けしています。

第3回は、着物の物語を紡ぐ、日本人らしさや伝統文化の継承を続けている創業93年を誇る知田和呉服店 四代目 永井仁奈さんのお話です。

株式会社 知田和呉服店 四代目 永井仁奈インタビュー

家業を継ぐ決意

創業93年を誇る知田和呉服店は、昭和の初めに曾祖父が立ち上げ、四代に渡り家族経営で日本の伝統文化を守り続けている呉服店です。今や全国でも希少な、白生地から完全オーダーメイドで着物を作る職人集団として、その魂を今に伝えます。

「この美しいものが、世の中からいつか消えてしまうのがとても悲しかった」  
永井さんが呉服店を継ごうと決意したのは、いつも身近にあった職人や着物が、時代の変化の中で失われていくという現実に真正面から向き合ったからでした。  
幼い頃から着物や職人さんの手仕事が家に溢れる暮らしが当たり前だった永井さんだからこそ、その一点一点に込められた想いや美しさの価値を強く感じてきました。「これまで家族が積み重ねてきた93年の歴史やお客様との信頼、それを自分らしいカタチで未来につなぐ責任」が、今、四代目である自分を突き動かしています。

完全オーダーメイドの呉服づくり

完全オーダーメイドの呉服づくり

 

知田和呉服店では、まずお客様とゼロからじっくり相談し、白生地選び、図案、染色、刺繍、金加工——工程ごとに専門の京都や日本各地の職人を選んで唯一無二の着物を仕立てます。服だけでなく、そこに宿る物語や想いも一緒に形にするのが、本当に「知田和らしさ」だと永井さんは語ります。

祖父の代からは、着る人の「パーソナルカラー」や個性に合せて、誰よりも映える一枚を提案。その結果、知田和の着物を身にまとった女性が「褒められた!」と笑顔を見せてくれる瞬間が、最高の喜びになるのです。

伝統が生む美しさと所作

着物の価値は美しい生地や技巧だけでなく、「着ることで生まれる所作や心の持ちよう」にあると永井さんは言います。  
袖を持ち上げる、背筋を伸ばす、少しの不自由さが逆に品格や美しさを生み、日本女性ならではの所作や文化も次世代に残していきたいと考えています。

その人のためだけに仕立てられた一枚は、やがて娘へ、孫へと受け継がれ、人生の折々で大切な思い出や歴史が重なっていきます。着物という贅沢品が、実は“家族や時間をつなぐ文化財”でもあることを実感できる瞬間が日々訪れます。

変化する時代に新たな挑戦

変化する時代に新たな挑戦

呉服業界はいま、大きな転換点に立っています。オーダーメイド着物を手がける店は全国的にもごくわずか、伝統職人も年々少なくなっています。「変革の時代を乗り越えなければ本当の継承はできない」という危機感が永井さんを動かしています。

だからこそ最近では、着物の染めや刺繍で培った技術を活かし、アートパネル作品やインテリアアイテムとしての“和の美”も新たに発信。職人と共に、現代の生活空間や海外へ向けても「日本ブランド」としての価値を届けようとしています。

 

未来への夢——「美しいもの」を世界へ

未来への夢——「美しいもの」を世界へ

「美しいものを美しいと感じる気持ちは、人種や国を越えて共通だと思う。だから和の美と着物文化を、国内外問わず多くの人と共有していきたい」  
永井さんは、着物好きとして日本酒や伝統文化の発信にも意欲的です。国内の職人雇用と育成、日本文化を愛する輪の拡大も、四代目の大きな目標です。

着物を見かけるたびに「もしかして永井さんが作った着物…?」と振り返ってもらえる日を夢見て。「Story on」——知田和呉服店、永井仁奈さんの物語は続きます。
 

【知田和呉服店公式サイト】  
https://www.chitawa.jp/  

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